シンガポールへ移住した有名な投資家の日本人といえば、孫泰蔵(孫正義の弟であり、オンラインゲーム会社のガンホー創設者)や木村新司(ITベンチャーGunosyの創業者)が挙げられます。この2人に共通しているのは、シンガポール永住権を取得して移住している(と思われる)点です。 こうしたシンガポールへの移住者が、永住権を求めるのはどういった理由や背景があるのでしょうか。また、この二人は日本有数の超・大金持ちですが、どういった条件を整えれば永住権が視野に入るのか、永住権を取得するメリット・デメリットと永住権取得に向けたヒントをまとめました。

目次

シンガポールの永住権(Permanent Resident)とは?

シンガポールの永住権(Singapore Permanent Residence)は通称:PR(ピーアール)と呼ばれており、シンガポールの入国管理局(ICA)から発行されるビザの1つです。永住権を取得するとその本人及びその家族はシンガポール市民と近い待遇を受けられます。つまり、日本人でも外国人でありながらビザの心配なく長期に渡ってシンガポールに住むことができるのです。

では、シンガポール長期滞在を確実なものにする永住権を取得すると具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?

シンガポール永住権の6つのメリット

1. ビザの心配なく長期移住が可能になる

日本人がシンガポールに入国すると、短期滞在ビザが自動的にもらえます。しかし、短期ビザのため、最大30日の滞在を前提としており、延長するには制限があります。
長期滞在の場合には、会社から雇用される形での就労ビザ(Employment Pass:通称EP)などを発行してもらう必要がありますが、そもそもこの就労ビザを得ることは簡単ではありません。年々条件が厳しきなっており、一度就労ビザを取得できたとしても、通常1〜2年で更新となり、最近はこの更新ができず帰国するケースもあります。

それに対して、永住権を保持するとシンガポールに長期に渡って住むことが許され、自由に入出国できます。短期ビザも就労ビザも必要なく、長期間・自由にシンガポールに住める、というのはシンガポール移住をされたい方に取って、大きな安心材料となります。

2. 就労の自由:複数会社で就労できる

日本人含め外国人は、シンガポールでの就労およびそこから収入を得る場合、必ず就労ビザが必要になります。この就労ビザは色々な規制があり、例えば、1社でしか就労が出来ないことになっています。つまり、会社経営者であれば、1社の取締役にしかなれない、という問題があります。

そこで永住権を取得できると、何社でも会社の取締役になり、自由にビジネスを行うことができます。1社の関連事業に縛られることなく、新規事業を新しく会社設立をして展開していくことも、異なるパートナーとジョイントベンチャーを複数立ち上げることも可能になります。もちろん、会社勤めをされる場合も複数雇用者から収入を得る・副業をすることも可能となります。

3. (会社オーナーの場合)シンガポール政府の補助が格段に多い

外国人保有の会社は、政府のサポートの対象外、というのが通例です。対して、シンガポール永住権保有者が会社のオーナーの場合、シンガポール現地の会社としてみなされ、様々な政府の補助金や政府機関によるサポートが得られます。

4. 不動産が購入しやすくなる

シンガポールの不動産は、外国人が購入しようとすると大変な印紙税が課されます。その税率、なんと18%!仮に1億円の物件を購入すると、1800万円が印紙税で必要になる、という恐ろしい税金が課せられます。

一方で、シンガポール永住権保有者の場合は、少しそれが緩和され、15%になります。たった3%と思われるかもしれませんが、実際シンガポールのマンション物件購入においては、2億円〜3億円というのはザラです。そうすると、印紙税の違いだけで、600万円〜900万円もの開きが出ます。購入時の印紙税が(ちょっと)安いのも永住権のメリットです。

さらに重要なポイントとして、外国人が不動産を買う場合、シンガポールではローンが得られません。全銀行が、外国人向けローンは100%断ります。これが永住権保有者になると、市民と同じ扱いになり、ローンを得ることが可能になります。
こうしたポイントを見ていくと、不動産購入も永住権保有者であれば可能になる、と言えます。(物件が高額なので簡単ではありませんが…)

5. CPF(年金制度)に加入できる

CPFとは、シンガポールの社会保険料として支払いが義務付けられる中央積立基金(Central provident Fund:称CPF)と呼ばれる強制積立金のことです。日本でいうと年金のようなもので、シンガポール人及び永住権保持者の老後に備えて、強制的に積み立てを行わせる制度です。CPFは雇用者側、企業側の負担分もあり、ちょうど日本で社会保険料を折半しているのと同じように、両者から拠出されていくことが特徴です。

外国人就労者にはこの制度は適用されないため、永住権を取得すると老後の生活資金としてCPFを活用できます。原則として一定の年齢にならないと引き出すことができません、政府が運用利率を3%まで保証しているのも魅力の一つです。

6. 家族も同時に長期訪問ビザを発行できる

永住権を取得するとその家族は長期滞在ビザ(LTVP)を申請することで就労しなくともシンガポールに滞在することが可能です。多大なメリットのあるシンガポール永住権は、特に世界各地の事業オーナーや富裕層からの関心を集めて止みません。

シンガポール永住権、過去5年間の事実と変化

実際のところ、どれくらいの人が永住権を持っていて、永住権発行の傾向はどのようになっているのでしょうか?現在永住権を取りやすい状況にあるのか、整理をしてみました。

2021年の統計によると永住権人口はシンガポール総人口のうち8%を占めています。数字にすると49万人で過去5年間で初めて50万人を切りました。シンガポール国民の人口も352万人から350万人に減少しており、これはコロナの関係でシンガポール国外に滞在している人が多いことが理由として挙げられています。

毎年どのくらいの人が永住権を取得しているのか?

2021年の人口統計によると、シンガポール市民・永住権保持者を除いた外国人数は全体人口の27%です。過去5年間の平均では毎年約 31,700人が永住権を取得しており、これは外国人人口の2%にあたります。

シンガポール政府はシンガポール全体の人口や政策を鑑みながら永住権承認承認条件を判断していますが、シンガポールの産業を支えるだけの影響力がある人材や少子高齢化を緩和させる条件をもっている人などが優遇される傾向にあり、今後も一定人数の永住取得者が出てくると考えられます。

永住権 vs その他ビザ:シンガポール移住はどちらを目指すべき?

実際のところ、どれくらいの人が永住権を持っていて、永住権発行の傾向はどのようになっているのでしょうか?現在永住権を取りやすい状況にあるのか、整理をしてみました。

2021年の統計によると永住権人口はシンガポール総人口のうち8%を占めています。数字にすると49万人で過去5年間で初めて50万人を切りました。シンガポール国民の人口も352万人から350万人に減少しており、これはコロナの関係でシンガポール国外に滞在している人が多いことが理由として挙げられています。

永住権を取得すると国民とほぼ同じような条件で暮らすことができることが分かりましたが、5年間の永住権発行件数を見ると、シンガポール政府は明らかに一定の枠内での永住権発行しかしないポリシーであることが見て取れます。

その限られた枠を、永住権申請者で取り合っている、競争しているのが現状です。シンガポール永住権申請では、名だたる投資家、経営者、超有名世界企業の役員といった、輝かしいバックグラウンドや大きな資産を持った人たちとの永住権競争になります。こうした状況を鑑みると、よほど好条件でない限り永住権取得は難しいと言えます。

こうした競争環境なので、12年間申請し続けても却下されて諦めたケースがあります。一方、シンガポールに移住して2年間で永住権をする人もいるため、戦略的に準備を整え、かつ辛抱強く進めていくことができる人であれば、申請も勝算が無いわけではありません。

では実際にシンガポール永住権申請において取得できるチャンスがある条件や人物像、そして、申請条件やプロセスはどのようなものがあるかリストアップしています。

シンガポール永住権が申請できる条件・人物像とは?

永住権の申請に対して収入、資産、これまでの納税額、年齢、滞在年数、学歴、家族関係やシンガポール社会に根付いていく意思などが総合的に判断されます。シンガポールの入国管理庁(ICA)が提示している条件は以下のとおりです。

就労ビザ(Employment Pass/S Pass)所持者かつシンガポールへの貢献度が高い人

50歳以下かつEPビザを所持しており、シンガポールの現地企業(老舗であればあるほどよい)に数年間勤めている、給与が高い、シンガポールに関連する家族関係やボランティア活動などを行っており、シンガポールに今後根付く(シンガポール国民になる)意思があることが加点ポイントになっています。

超投資家・超お金持ち

シンガポールにはGIP(Global Investor Pogramme)という投資家向けグローバル投資プログラムを設けています。一定規模の会社を経営しており、優れた事業実績と起業経験を3年以上持ち、シンガポールから投資を推進しようとする投資家に永住権が付与されます。

このスキームを利用する際の条件として、最低投資額が2.5ミリオンSGD(日本円で約2億円)、既存の会社の年間売上が50ミリオンSGD(日本円で約40億円)以上あること。また直近3年間の売上平均が200ミリオンを上回っていること、会社の株式全体の30%を保有していることとなっています。シンガポールではお金が全てを物申すということで、バリバリ投資家/事業家になって潤沢な資金を手に入れる必要がありそうです。
※また、当プログラム申請料は10,000SGD(日本円で80万円)かかります。

その他ラッキー条件

  • シンガポールで家族関係がある場合
  • シンガポール人または永住権保持者の配偶者
  • シンガポール人または永住権との法的な婚姻関係の中で生まれた、または養子となった21歳未満の未婚の子供
  • シンガポール人の高齢父母
  • シンガポールで留学/通学する学生
  • シンガポールで2年以上居住していること。出願時点で、少なくとも1つの国家試験(PSLEまたはGCE ‘N’/’O’/’A’ レベルなど)に合格している、またはIntegrated(統合)コースに所属している必要があるプログラム(IP)

シンガポール永住権の手続き(申請方法・所要時間・費用)

申請方法

すべてオンラインで完結するため入国管理局(ICA)へ出向くことはありません。永住権が承認された場合はREP(Re-Entry Permit:再入国許可証)取得のため100ドル(日本円8,000円)がかかります。また、申請回数に制限はないため、承認されない場合は次の年にチャレンジすることも可能です。

自身に当てはまる条件に対し必要書類を用意したらe-Serviceを通じてオンラインで申請を行います。対面での面談は行われません。

所要時間

提出した書類に基づき審査が行われ、申請を行ってから結果が出るまで約6ヶ月かかります。状況についてはICAのサイトからいつでも状況を確認することができ、正式な成否については郵便メールで受け取ることになります。

申請費用

すべてオンラインで完結するため入国管理局(ICA)へ出向くことはありません。永住権が承認された場合はREP(Re-Entry Permit:再入国許可証)取得のため100ドル(日本円8000円)がかかります。また、申請回数に制限はないため、承認されない場合は次の年にチャレンジすることも可能です。

シンガポール永住権の審査基準まとめ

シンガポール永住権の申請できる対象者や申請方法について紹介しました。ただし、永住権を確実に取得するこれといった抜け道はありません。永住権が承認されるための一番重要なポイントがあります。

永住権審査で見られる重要指標は「シンガポールへの貢献度」

シンガポールは多国籍・多民族国家のため、永住権所有者の国籍のバランスや、隣国との関係、国の政策など色んな角度から承認条件を決めています。申請対象者のいずれの中でも一番にみられるのは「シンガポールへの貢献度」、そして「将来シンガポール国民となる可能性があるか」などシンガポールに根付く意思があるかが重要なポイントになります。

これまでの話からシンガポール永住権を取得するメリットがどれだけ魅力的なものかイメージいただけたのではないでしょうか?ただし、永住権を取得する際に念頭におきたいよく誤解される6つのポイントを紹介します。

シンガポール永住権取得でよくある6つの誤解

1. ビザの心配なく長期移住が可能になる

日本人がシンガポールに入国すると、短期滞在ビザが自動的にもらえます。しかし、短期ビザのため、最大30日の滞在を前提としており、延長するには制限があります。
長期滞在の場合には、会社から雇用される形での就労ビザ(Employment Pass:通称EP)などを発行してもらう必要がありますが、そもそもこの就労ビザを得ることは簡単ではありません。年々条件が厳しきなっており、一度就労ビザを取得できたとしても、通常1〜2年で更新となり、最近はこの更新ができず帰国するケースもあります。

それに対して、永住権を保持するとシンガポールに長期に渡って住むことが許され、自由に入出国できます。短期ビザも就労ビザも必要なく、長期間・自由にシンガポールに住める、というのはシンガポール移住をされたい方に取って、大きな安心材料となります。

2. 就労の自由:複数会社で就労できる

日本人含め外国人は、シンガポールでの就労およびそこから収入を得る場合、必ず就労ビザが必要になります。この就労ビザは色々な規制があり、例えば、1社でしか就労が出来ないことになっています。つまり、会社経営者であれば、1社の取締役にしかなれない、という問題があります。

そこで永住権を取得できると、何社でも会社の取締役になり、自由にビジネスを行うことができます。1社の関連事業に縛られることなく、新規事業を新しく会社設立をして展開していくことも、異なるパートナーとジョイントベンチャーを複数立ち上げることも可能になります。もちろん、会社勤めをされる場合も複数雇用者から収入を得る・副業をすることも可能となります。

3. (会社オーナーの場合)シンガポール政府の補助が格段に多い

外国人保有の会社は、政府のサポートの対象外、というのが通例です。対して、シンガポール永住権保有者が会社のオーナーの場合、シンガポール現地の会社としてみなされ、様々な政府の補助金や政府機関によるサポートが得られます。

4. 不動産が購入しやすくなる

シンガポールの不動産は、外国人が購入しようとすると大変な印紙税が課されます。その税率、なんと18%!仮に1億円の物件を購入すると、1800万円が印紙税で必要になる、という恐ろしい税金が課せられます。

一方で、シンガポール永住権保有者の場合は、少しそれが緩和され、15%になります。たった3%と思われるかもしれませんが、実際シンガポールのマンション物件購入においては、2億円〜3億円というのはザラです。そうすると、印紙税の違いだけで、600万円〜900万円もの開きが出ます。購入時の印紙税が(ちょっと)安いのも永住権のメリットです。

さらに重要なポイントとして、外国人が不動産を買う場合、シンガポールではローンが得られません。全銀行が、外国人向けローンは100%断ります。これが永住権保有者になると、市民と同じ扱いになり、ローンを得ることが可能になります。
こうしたポイントを見ていくと、不動産購入も永住権保有者であれば可能になる、と言えます。(物件が高額なので簡単ではありませんが…)

5. CPF(年金制度)に加入できる

CPFとは、シンガポールの社会保険料として支払いが義務付けられる中央積立基金(Central provident Fund:称CPF)と呼ばれる強制積立金のことです。日本でいうと年金のようなもので、シンガポール人及び永住権保持者の老後に備えて、強制的に積み立てを行わせる制度です。CPFは雇用者側、企業側の負担分もあり、ちょうど日本で社会保険料を折半しているのと同じように、両者から拠出されていくことが特徴です。

外国人就労者にはこの制度は適用されないため、永住権を取得すると老後の生活資金としてCPFを活用できます。原則として一定の年齢にならないと引き出すことができません、政府が運用利率を3%まで保証しているのも魅力の一つです。

6. 家族も同時に長期訪問ビザを発行できる

永住権を取得するとその家族は長期滞在ビザ(LTVP)を申請することで就労しなくともシンガポールに滞在することが可能です。多大なメリットのあるシンガポール永住権は、特に世界各地の事業オーナーや富裕層からの関心を集めて止みません。

シンガポール永住権のまとめ 〜取得のヒントとは〜

今までの内容から、シンガポール永住権のメリットと誤解されるポイントについてご理解いただけたかと思います。それでも永住権取得を目指したい!という方に向けてビザ取得の突破口を紹介します。

まとめになりますが、以下のような条件にあてはまる場合、永住権取得に期待ができます。

永住権取得が期待できる申請条件

  • 高学歴でシンガポール経済に貢献している
  • 在住歴が長くシンガポール老舗企業に務めている
  • 30際以下未婚の女性または既婚で子供に男の子がいる
  • シンガポールで起業し、シンガポール国民の雇用を生み出している(シンガポール人を雇っている)
  • シンガポールで会社を経営して利益をあげ、十分な納税履歴がある
  • シンガポールで一定額投資する資産がある

永住権取得のための3つの方向性

方向性1:お金持ちルート

No Money No Talk文化のシンガポールではお金持ちが人権を得ます(笑)年間売上約40億円レベルの投資家・事業家になることで、投資家向けグローバル投資プログラム(GIP)経由でビザ申請が可能です。

方向性2シンガポールへの貢献度でポイントを稼ぐ

シンガポールの経済に大きく貢献できるように自分磨きをすること。シンガポールの老舗企業に長く務めるか、自分で事業を立ち上げて、多くのシンガポール人を雇う、または地域の活動に積極的に参加することも加点されるポイントになります。

方向性1:自分自身をローカル化する

シンガポールで生涯のパートナーを見つけて結婚し、家族でシンガポールに末永く暮らすという選択肢もあります。

最後に

以上でシンガポール永住権の紹介は終わり、聞いてみてどうでしたか?魅力あるけど難しさがある。難しさはコントロール出来る部分をしっている人たちとやっていくのがいい。もし自分は対象者で永住権取得に興味がある、具体的に手続や対策を打ちたいということであれば、シンガポール移住.comまでお気軽にご相談ください。