シンガポールでの生活を考えるのであれば、通貨や普段の支払い方法については知っておきたいところです。

この記事では、使われている通貨、紙幣や硬貨の種類、キャッシュレス決済の使われ方などをご紹介します。急変している為替レートや、よく使われるモバイル決済サービスについてもチェックしてみてください。

シンガポールの通貨は、シンガポールドルです。通貨記号は「S$」ですが、お店やレストランの価格は「$10」などとドル記号だけで書かれることが通常です。また、100分の1ドルであるセント「S¢」もあります。

そして、日本円からシンガポールドルに換金するときに気になるのが、為替レートです。最近は急激に円安が進んでいて、直近では2023年9月のシンガポールドル/日本円の為替レートは、1シンガポールドル = 107〜108円となっています。

1年前の2022年9月は1シンガポールドル = 約100円で、筆者がシンガポールに移住した2012年はなんと1シンガポールドル = 約62円でした。

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 – ミニコラム –

シンガポールは、「通貨バスケット方式」という通貨制度をとっています。為替レートを複数の外貨と連動させ、急な為替の変動を起こさないための制度で、為替レートの変動幅を一定に収めるようにしています。シンガポールドルは、米ドルやユーロとの変動が抑えられており、東南アジアの通貨の中では安定した通貨になっています。

これは、シンガポールが小さく貿易に依存している国であるため、為替レートが急変して国内の物価が乱高下することを防ぐためのものです。

なお、シンガポールドルはブルネイ共和国でも使うことができます。これは、シンガポールドルとブルネイドルの為替は固定で「等価」とされているためです。ブルネイに行った際は、シンガポールドルの現金をそのまま使うことができます。

お札とコインの種類

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シンガポールドルは、以下の紙幣と硬貨があります。

・紙幣:S$2、5、10、50、100(かつてはS$1,000、S$10,000紙幣もありましたが、現金は送金の履歴が残らずテロなどの犯罪に使われる可能性があるため、廃止されました)
・硬貨:S¢5、10、20、50、S$1(シンガポールでは5¢以下の端数は切り捨てとなります)

紙幣には、英語、中国語、マレー語、タミル語の4言語で国名が記載されています。多民族国家であるシンガポールらしいデザインです。そして、肖像画に描かれているのは、初代大統領であるユソフ・ビン・イサーク氏です。

また、小額の紙幣を中心に、耐久性のあるポリマー製に切り替わっています。洗濯してもボロボロにならないというメリットがあります!

なお、1ドル硬貨は八角形の形をしていることから、縁起がいいコインといわれ、お財布の中に入れている人もいます。風水で八角形は縁起がよく、全ての方角から幸運を引き寄せて、邪気や災いを払うとされているのです。

シンガポールでは現金よりキャッシュレス決済

ここまで、シンガポールドルの紙幣や硬貨についてご紹介してきましたが、日常生活での支払いは現金はほとんど使われていません。キャッシュレス決済がメインで、筆者も外出する際に現金はほぼ持ち歩きません。キャッシュレスでの支払いは、日本より進んでいます。

その中でも多く使われるのは、クレジットカードと、QRコードでのモバイル決済です。

クレジットカードは日本と同じくVisa、Master、AmexやJCBなどが使えます。ただ、JCBは日本ほどは普及していないので、使えるところが限定的です。

QRコード決済で最も使われているのは、シンガポール長期滞在者用の「PayNow」です
シンガポールの銀行口座から直接支払うことができ、携帯番号や会社登記番号だけで瞬時に支払いが完了し手数料もゼロという便利な仕組みになっています。QRコードを読み込み、あるいは携帯番号や会社登記番号を打ち込むと、受け取り相手が表示され、あとは金額を入力して送金するだけです。

PayNowはアプリにお金をチャージするのではなく、銀行口座から直接出入金されるため、現金とほぼ同じ感覚で使われています。こうした背景もあって、年配の方が運営する小規模店でもよく使われており、現金の使用シーンが劇的に減っています。シンガポールに住むなら、PayNowはおさえておきたい決済サービスです。

Pay Now

Pay Nowイメージ)

他には、配車アプリとして有名な「Grab」に決済機能もついており、Grabにチャージした金額を使ってQRコードで支払いできます。さらには、WeChat Payなど様々な決済サービスが広く使われており、店頭にぶら下がっているQRコードには、対応している支払いアプリのアイコンがずらっと並んでいます。

Grab

Grabアプリイメージ)

現在では政府によるPayNowの普及活動もあり、ホーカー(屋台街)や小さな商店でもQRコード決済への対応が進み、現金しか使えないお店は減っています。ただ、都心を離れてローカル色の強い場所に行くと、時折、現金だけというお店もあります。そのため、財布に小額の現金を入れておくと困ることはないでしょう。

ちなみに:チップの習慣はありません

シンガポールでは、レストランやタクシーでチップを支払う習慣はありません。料金にGSTという税金を加えた金額を払えばOKです。GSTは日本でいう消費税で、料金の8%が加算されます。2024年1月からは、GSTの税率が9%に上がる予定です。

また、レストランやホテルでは、日本の高級店と同じように、料金にあらかじめサービス料10%が追加されることが通例です。(割と高級ではないお店でも、普通にサービス料がチャージされていたりします)

シンガポールの通貨、お札やコインの種類、そして最新のキャッシュレス決済事情についてご紹介しました。長期滞在や移住した際の参考になれば幸いです。