シンガポールはアジアの小さな国ですが、日本人にも知られている料理もあれば、ローカルに好まれているソウルフードのようなものまで、バラエティ豊かなグルメがあります。

この記事では、シンガポールに住む人や観光客に人気がある代表的シンガポール料理について紹介します。

シンガポールのローカルが好むグルメ14選

在シンガポール10年を超える筆者も普段から食べている、代表的な料理をご紹介します。

シンガポールチキンライス

日本人にも有名なシンガポールを代表する料理が、シンガポールチキンライス。茹でた鶏肉とその茹で汁で炊いたごはんを、醤油ソース、チリソース、生姜ソースで食べるのが一般的です。

元々は、中国南方の海南州からの移民によって伝えられたことが始まりで、シンガポールのローカルにとっては屋台(ホーカー)で食べる、気軽で庶民的な料理です。

飽きが来ないローカルフードなので、ホーカーでの選択肢としては無難です。個人的に好きな食べ方は、生姜ソースにちょっとチリを混ぜて、チキンをつけながら食べるものです。自分の好みの味に調整しながら食べられるのも、シンガポールチキンライスのよいところです!

バクテー

骨付き豚肉を、にんにくや香辛料と一緒に煮込んだ料理がバクテーです。中国からの移民であった労働者が力をつけるために作ったのが由来とされていて、中国語では「肉骨茶」と書きます。なんだか文字面は恐ろしいですね(笑)。

「肉骨」は豚肉、「茶」はスープをさします。お肉を食べつつ、スープをご飯や揚げパンにひたして食べます。朝からバクテーを食べていたそうですが、今はランチや夕食、お酒を飲んだ後の締めとしても好まれています。

バクテーを楽しむコツは、スープのおかわりです。実はバクテーのお店では、スープのおかわりが無料であることが多く、塩辛めの味でご飯がすすみます。難点は、ついついスープを飲みすぎてしまって塩分摂りすぎになることです!

ラクサ

ラクサは、中華系とマレー系の文化がミックスしてできた「ニョニャ料理」のひとつで、ココナッツ風味のカレースープが特徴の麺料理です。

具材はエビやかまぼこ、卵、もやしなどが一般的です。あさりが入っているお店もあります。麺は、日本のラーメンと同じような卵を使った小麦の麺や、米麺などさまざまなものがあります。

ラクサは、屋台(ホーカー)の定番料理でありながら、ホテルなどの高級レストランでも食べられます。シンガポール東部にあるカトン地区が、ラクサ激戦区として有名です。

ちなみに個人的には、匂いが合わず、全然食べません(爆)。私は何が合わないのか……よくわからないのですが、割と好みが分かれる食べ物です。私の友人はラクサのお店をよく知っていて、食べ歩いている人もいます。

チリ・クラブ

シーフード好きな人は必見の、カニを殻ごとチリソースで炒めた料理がチリ・クラブです。屋台を営んでいた夫婦が、蒸しガニに代わる料理として、カニをチリソース炒めにしたのが発祥とされています。観光でも一度は食べたい料理で、在住者もちょっとしたごちそう的なセッティングで食べに行くことがあります。

ハサミで殻を破り、カニスプーンを使って身を取り出して食べます。手がベトベトになっても気にしない! お店によってはフィンガーボールもついてきたり、使い捨てビニール手袋があったりしますので、ご安心を。少し甘い揚げパンにソースをつけて食べるのがおすすめです。

チリ・クラブは、シーフードレストランやホーカーで食べられます。カニを使った料理で値段も安くはないので、大人数でシェアすると心配せずに楽しめると思います。

カヤトースト

シンガポールのソウルフードといえば、カヤトースト。トーストに、カヤというココナッツミルクをベースとした甘い緑色のジャムを塗って、バターを挟んだものです。

庶民のスナック&朝食として愛されていて、時間がない時にサッと買って食べることも多くあります。日本食で例えると、あんぱんのような存在かもしれません。

カヤトーストは、イギリス船の厨房で働いていた海南人(現在の中国・海南島出身の人々)がイギリス人のために、手に入る材料で朝食を作ったのが起源とされています。

そして、温泉卵に絡ませながら食べるのが一般的。さらに練乳入りのコーヒーを飲むという、日本人にとっては甘すぎるセットがローカルの定番です。甘じょっぱい味がやみつきになります。コーヒーショップ、ホーカー、カヤトースト専門店などさまざまなお店で食べられます。

典型的なコーヒーショップでは、1〜2ドルの飲み物に2〜3ドルのカヤトーストをセットにして食べることがよくあります。

ナシレマ

ナシレマは、ココナッツミルクで炊き上げたごはんです。通常、揚げたチキンか魚がセットになった定食のようになっていて、カンビリス(乾燥アンチョビ)、ナッツ、サンバルソース(辛味調味料)と一緒に食べます。

カヤトーストと同じくナシレマも朝食で食べられることが多く、朝早くからオープンしている屋台(ホーカー)で買うことができます。値段も安く日常的に食べられている、マレー系ローカルフードです。

フィッシュヘッドカレー

フィッシュヘッドカレーは、その名の通り魚の頭が丸ごと入っている、ココナッツベースのカレーです。インド料理のレストランや、ホーカーで食べられます。

インド系のレストランオーナーが、インド料理では使わない魚の頭を無駄にしないように、そして中華系の人が好むだろうと考えてカレーに入れたのが起源とされています。

見た目のインパクトがすごいですが、食べてみると美味しいです。日本のカレーよりサラッとしていて、食べ方は日本のカレーのようにご飯にかけながら食べる感じでOK。具材はちょっと違いますが、個人的に好きなのはオクラやナスで、夏野菜カレーのような趣きです。

サテ

鶏肉や牛肉、羊肉などを串焼きにしたものが、サテです。日本食でいうと焼鳥のようなもので、ビールと一緒に食べることが多くあります。日本の焼鳥と違うところは、やはりソースです。お店によって様々ですが、甘いピーナッツソースが人気です。

シンガポールにはサテストリートという屋台街もあり、サテの香ばしいにおいがいつも漂っています。天気のいい日には、屋台でサテを買って、屋外で食べるのもおすすめです。

ロティプラタ

ロティプラタは、インド風の薄焼きパンです。朝食やランチに、カレーと一緒に食べられることもあります。中にチーズやハムを入れることもある、インド風クレープのような食べ物です。

日本人にとってカレーのお供といえばナンが有名ですが、シンガポールでは、ロティプラタのほうが親しまれていると言っても大げさではありません。実際、ロティプラタを売っているお店の方が多い印象です。

カレーパフ

カレーパフは、カレー風味の鶏肉とジャガイモを詰めた揚げパイです。ちょっと小腹が空いた時などに食べる、シンガポールの軽食の定番です。お肉と油を使っているので割としっかりお腹にたまります。スナックと食事の間のような食べ物で、日本人にとってはサンドイッチのような存在といえます。

シンガポールのチェーン店であるOld Chang Kee(オールドチャンキー)が、カレーパフの有名店です。イベントでも定番のメニューで、カンファレンスの合間の軽食に、コーヒーとカレーパフが出る風景はとてもよく見られます。

オタ

魚のすり身とスパイスやココナッツミルクを混ぜ、バナナや椰子の葉で包んで焼いた食べ物が、オタです。日本人でオタを知っている人は、なかなかのシンガポール通でしょう。

オタも、カレーパフと同じように小腹が空いた時によく食べられます。日本で例えるなら、コンビニエンスストアの唐揚げやアメリカンドッグといったホットスナックのようなものです。個人的には、オタの独特の匂いが苦手です(苦笑)。

ホッケンミー

エビやイカをトッピングにした炒めた麺料理が、ホッケンミー。中国・福建省が発祥の地で、福建焼きそばとも呼ばれています。

卵麺と米麺など2種類の麺をミックスして、エビや卵などの具材と炒めるのが特徴です。辛いサンバルソースや、ライムなどの柑橘類を絞って食べます。

ロジャ(ロジャック)

マレー語で「混ぜる」という意味のロジャは、揚げパンや野菜、果物、魚介類などの具材を黒く甘辛いソースで混ぜ合わせて食べる、サラダのような料理です。細かく擦ったピーナッツを最後にトッピングして食べます。日本語で表現すると、「甘味噌サラダ」と言ってもいいかもしれません。

ロジャの具材としてよく食べられるのは、きゅうり、もやし、パイナップル、揚げ麩などです。

シンガポールの家庭料理とは?

たくさんのシンガポールグルメを紹介してきましたが、これらは屋台(ホーカー)やレストランで食べるか、テイクアウトするのが一般的です。

シンガポールの人々は日本人とは比べ物にならないほど外食や持ち帰りが一般的で、3食ともホーカーなどで外食したり、買って帰ったりすることも普通なのです。「料理」「自炊」は日常的にするものではないと思っている人が多いです。日本人が特別な日にだけケーキを家で焼くように、料理はちょっと特別なときにする、思い立って料理する、といった捉え方の人も多いようです。

また、今回ご紹介した料理を自宅で作るのは意外と手間や機材を要することもあり、家で頻繁に作られているわけではありません。チキンライスを作るには、大きな鍋でチキンまるまる一羽をゆっくり茹でて……と、長い時間がかかり、非常に面倒です。筆者も自宅で作りましたが、一回で懲りました。日本でラーメンを自宅で作らないのと同じかもしれません。

シンガポールの食文化

持ち帰り&外食文化であるシンガポールでは、屋台村(ホーカー)が特徴的です。朝から晩まで営業していて、いつ行っても多くの種類の料理が食べられます。そして、ホーカーセンターはどの店も持ち帰りOK。スープ料理でも何でも持ち帰ることができます。スープはプラスチックの器に入れてくれることもあれば、ビニール袋に直接(!)入れてくれることもあります。

また、宗教上食べられないものがある人でも、ホーカーに行けば色々あってなんとかなるので、そういう意味でも便利です。

ちなみに、シンガポールでは学校給食はないので、子供達はお弁当を持って行くか学食でランチを食べています。

今回は、シンガポールで有名な料理と食生活についてご紹介しました。中国文化を起源にした料理が多く、外食が一般的であるという食文化がある点は、日本と違うところですね。シンガポールに移住したら、このような食文化をぜひ生活の中に取り入れてみてください。